「もう、受験なんてやめた方がいいんじゃないか……」
模試の結果に一喜一憂し、夜遅くまで続く宿題の山。疲れ果てた我が子の顔を見て、そして感情的に怒鳴ってしまう自分に自己嫌悪し、そんな風に追い詰められている親御さんは少なくありません。
しかし、人生に関わる大きな決断だからこそ、今この瞬間の「絶望感」だけで「やめる・やめない」の答えを出さないでください。まずは、煮詰まった空気を入れ替えるための「心の小休止」が必要です。
1. 結論:その悩みは、真剣に向き合ってきた証拠
「やめた方がいい」という言葉が頭をよぎるのは、あなたがそれだけお子さんの将来を真剣に考え、共に戦ってきた証拠です。決して、投げやりになっているわけではありません。
ただ、今は「合格」というゴールしか見えないトンネルの中にいて、親子で酸欠状態になっているだけなのです。
2. 【提案】「やめる」を決める前に試したい3つのリフレッシュ
今の苦しい状況を変えるのは、新しい問題集ではなく「勉強以外の時間」です。
① スマホを置いて、一緒に散歩をする
今、この記事をスマホで読んでくださっているかもしれません。しかし、読み終えたら一度、そのスマホを置いてください。 親が常にスマホで受験情報をチェックしたり、SNSの「他人の成功事例」を追っている姿は、子供にとって大きな無言の圧力になります。「お母さんは私じゃなくて、画面の中の偏差値を見てる」と感じると、子供は本音を話せなくなります。
スマホを持たずに、ただ隣を歩いてみてください。 目的地を決めず、道端の花や空の色について話しながら歩く。スマホという「受験のノイズ」を遮断して横に並んで歩くだけで、子供の心はふっと緩み、ポツリと本音を漏らしてくれることがあります。
② 「ノー勉強デー」を強制的に作る
「1日休んだら取り戻せなくなる」という恐怖があるかもしれませんが、心がつぶれてしまったら取り戻すのに何倍もの時間がかかります。 週に1日、あるいは半日でもいいので、参考書を一切開かない日を作ってください。受験生ではない「ただの親子」として、美味しいものを食べたり、公園で体を動かしたりする。その「普通の時間」が、明日へのガソリンになります。
③ 「宿題を捨てる」勇気を持つ
塾のカリキュラムは、最大公約数向けに作られています。全てを完璧にこなそうとすれば、親子でパンクするのは当然です。 今の子供の体力と気力を見て、「今日はこれだけはやろう、あとは捨てよう」と親がブレーキをかけてあげてください。「全部やらなきゃ」という呪縛から解放されるだけで、家庭内の空気は劇的に変わります。
3. 決断の基準は「子供の瞳」にある
受験を続けるべきか、それとも形を変えるべきか。その答えは親の頭の中ではなく、お子さんの瞳の中にあります。
- 瞳に生気があり、悔しさや喜びを感じているなら、 まだ戦えます。今はただ、休息が必要なだけです。
- 瞳から光が消え、怯えるように親の顔色を伺っているなら、 それは「今のやり方」が間違っているサインです。
「やめる」という極端な二択以外にも、「志望校のレベルを下げてみる」「個別指導に切り替えて親子間の距離を置く」など、中間地点の選択肢はたくさんあります。
4. まとめ:受験は「幸せになるため」の手段
中学受験や高校受験は、人生の通過点の一つに過ぎません。何より大切なのは、受験が終わった時に「親子で頑張ってよかったね」と笑い合える関係でいられることです。
もし、今日が辛いなら、まずはスマホを置いてお子さんの手を引いて外へ出てください。風を感じながら一緒に歩くその数十分が、これからの数年間を支える、何よりの薬になるはずです。

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