『ハイキュー!!』に登場する魅力的なキャラクターたち。中でも、影山飛雄、及川徹、孤爪研磨、宮侑といった「セッター」陣は、一癖も二癖もある強烈な個性の持ち主ばかりです。
「セッターは性格が悪い(あるいは変わり者)と言われるのはなぜ?」 「彼らには何か共通する美学があるの?」
バレーボールにおいて最もボールに触れ、チームの勝敗を左右する「司令塔」たちの共通点を、彼らの性格と人生観から深掘りします。
1. 共通点①:異常なまでの「支配欲」と「献身」の矛盾
ハイキューのセッターたちに共通する最大の魅力、それは**「自分ですべてをコントロールしたい」という強烈な支配欲と、「スパイカーに最高のトスを打たせたい」という深い献身**が同居している点です。
- 影山飛雄: 自分が一番上手いと信じていた「独裁者」が、スパイカーの能力を100%引き出すための「究極の献身」こそが自分の正しさの証明だと気づく。
- 及川徹: 誰よりも負けず嫌いでエゴイスト。しかし、そのエゴを「スパイカーを100%活用する」という方向に全振りしている。
彼らにとって、スパイカーを活かすことは、自分の「セットアップ」という仕事の完璧さを証明すること。「俺がこのチームを勝たせている」という特大の自負が、あの神業的なトスを生んでいます。
2. 共通点②:観察眼を超えた「人間観察マニア」であること
セッターは味方の調子だけでなく、敵のブロックの動き、視線、わずかな重心の移動を常に見ています。そのため、私生活でも「人の機微に聡すぎる」という共通点があります。
- 孤爪研磨: 相手の動きを「予測」し、詰将棋のように追い詰める。
- 宮侑: スパイカーに「俺はもっとやれる」と勘違いさせるほどの最高のトスを上げるために、誰よりもスパイカーのコンディションを観察している。
彼らは共通して、「他人が何を考え、どう動くか」を解析することに、脳の大部分を割いている人種なのです。だからこそ、時に周囲からは「何を考えているか分からない」「少し怖い」と思われてしまうのかもしれません。
3. 共通点③:バレーを「遊び」ではなく「道(求道者)」としている
セッター陣は、バレーボールを単なるスポーツではなく、一生をかけて極める「道」として捉えている節があります。
- **及川の「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」**という言葉に象徴されるように、彼らは自分の技術不足を何より嫌います。
- 影山が休みの日もバレーのことしか考えられないように、彼らにとってセッターというポジションは、終わりなき追求の旅なのです。
誰よりもボールを触り、誰よりも失敗が許されず、誰よりも思考を止めない。その過酷なポジションを自ら選び、楽しんでいる。彼らが「変人」に見えるのは、その圧倒的な情熱が一般の枠をはみ出しているからに他なりません。
4. 最後に:セッターは「愛すべきエゴイスト」
ここまで読んできたあなたなら、もうお分かりでしょう。ハイキューのセッターたちがなぜこれほどまでに魅力的なのか。
それは、彼らが**「誰よりもバレーを愛し、誰よりも自分勝手で、だからこそ誰よりもチームのために尽くす」**という、矛盾に満ちた人間味に溢れているからです。
次に作品を読み返すときは、ぜひアタッカーの後ろで「どんな顔をしてボールを上げているか」に注目してみてください。彼らの執念と愛が、1本のトスに凝縮されていることが、今まで以上に深く伝わってくるはずです。

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